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技術選の新星 |
ゲレンデスキーヤーの頂点を決めるスキー技術選。
今年も八方尾根で開催されました。

優勝は武田竜氏。 今から10年ほど前、渡辺一樹氏が引退し、今年丸山貴雄氏が引退しました。 時代の流れを感じさせます。
スキー界の一大イベントなのに何故メディアに報じられないのかと嘆くSAJ関係者のコラムが以前ネットで話題になったことがありますが、それも無理はありません。
ルールが明確なようでそうでもない。 種目がどれもこれも似たり寄ったりで見ている側にわかりにくい。 累積していく得点の仕組み故に、決勝などとは言っても実はほとんど勝敗が決まっている。
デモンストレーター選考会を興行的に演出しているような側面もありますから、メディアとしては一般に報じるほどの価値がなかなか見いだせないというのが正直なところでしょう。
かつては技術選の定義がこのように紹介されていました。
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アルペンレースのように「タイム」を競う概念はなく、フリースタイル競技のように技の難度が直接点数に反映されることもない。 設定された斜面に対してどのようなターン弧を描いてくるか、どれだけスキー板の性能を引き出すことができているかなど、 さまざまなポイントを評価し、順位を決定する。 アルペンスキーやモーグル競技が限られた状況の中でパフォーマンスを競うのに対して技術選は、中斜面の一枚バーンから、 うねりを含む複合斜面、さらにはコブ斜面など、ゲレンデのあらゆるフィールドを戦いの場とする。 雪面コンディションも、アイスバーンと見まがうようなハードパックから、最低限のグルーミングのみを施した不整地(コブ斜面)で行うものなど、 一般スキーヤーが普段滑走している状況に近いシチュエーションで競技が行われるのも特徴である。 タイムそのものを競う競技ではないが、ターンの質とスピードには密接に関わるため、ほとんどの種目は驚異的な滑走スピードで繰り広げられる。 種目によっては極めて難度の高い斜面が設定されるため、選手にとっては恐怖心との戦いでもある。
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下から見ているジャッジにターン弧の形など判るはずもありませんし、スキーの性能を生かしている滑りがなんなのか、逆にスキーの性能を台無し(?)にしている滑りがどんなものなのか、若干意味不明な部分もあります。 おそらくここの定義については、カービングスキーが隆盛をきわめた2000年代前半頃に「ズレ」をNGとした時代の名残なのでしょう。
「生かす」のはスキーの性能ではなく、あくまで個人の技術です。チャンチャラおかしいですよね(^^)
「アイスバーンと見まがう」といいますが、アイスバーンは日常茶飯事ですし、「最低限のグルーミングを施したコブ斜面」っていったい何ですか?と、これまた意味不明。 コブ斜面は、グルーミングされた斜面を意図的にこぞって小回りして溝を掘るので、「最低限グルーミングされた」との表現には違和感を覚えます。 そもそも3月開催にしている段階で、ハードパックではないことが多いので、これまた若干微妙ではあります。
「恐怖心との戦い」とよく言いますが、恐怖心が勝るようでは競技などできません。恐怖心がないから難度の高い斜面での正しい操作が可能になるのは、コブ斜面を次第に滑れるようになりつつある一般スキーヤーならだれでも経験しています。 恐怖心ではなく、「ミスを犯すことへの不安」というなら理解はできますが。
そんな競技の定義もやがてどこかに葬り去られ、いまではシンプルにこんな感じの記述へと変更されています。
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本スキー技術選手権大会開催規程に基づき開催し、 スキーヤーの自由な表現から生まれるスキー技術の“巧さとその進化”を競い合い 大会年度のチャンピオンを決める。 大会を通じてスキー技術の奥深さとダイナミックさを一般スキーヤーに伝える。
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そうはいっても、ルールが不明確なのは、毎年微妙に変化するプライズテストのジャッジ観点と同じでして、参加する選手ひとたちの気苦労がうかがい知れます。
10数年前、突如丸山貴雄選手がコブでいわゆる「バンク滑り」をやって見せてジャッジが驚嘆、イキナリ高得点が与えられました。
そうかと思えば、50回大会のチョイ前あたりに、同じくバンク滑りで有名になった丸山貴雄選手が、突如バンク滑りを封印しモーグルのようなポーパスターンをやって、これまたジャッジが驚嘆、高得点がたたき出されました。
すると翌年には、皆「バンクは時代遅れだ!」とばかりに同じようなポーパスターンを練習してその滑りを本番で取り入れ、当時ナショナルデモンストレータの石水克友選手が得意の高速ターンを駆使し超ハイスピードでコブ斜面に挑みましたが、残念ながら途中で転倒、総得点が全く伸びずにデモの座を失うことになったのは実に皮肉でありました。
これらは全て、ルールの不明確さがもたらすものでして、毎年出場する選手はどのような滑りがジャッジ受けするのか、腐心しながらの練習に苦労しているものと察せられます。
そんななか、今年の技術選では女子のスーパーファイナルで珍しく逆転劇が起こりました。
自衛隊高田駐屯地所属の渡邊渚選手の逆転優勝。
種目によっては男子優勝者の得点をも上回る超迫力滑走。 動画を見てみましたが、ジャッジに媚びない、誰が見てもカッコイイ迫力のある滑走姿。
人は見た目が9割と言いますが、結局は基礎スキー技術の優劣はそれと同じで、フィギュアスケートの要素別得点システムとは似て非なる
見た目の格好よさが9割
そんなところでしょうか。

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